改善事例紹介

Case 1

入居の背景

パーキンソン病発症により、病院や高齢者施設を転々とされてるうちに知人との交流もなくなり自然と閉じこもりがちな生活へと移行。
ご主人が他界されたことにより独居となりご入居されました。

入居当時の状態

入居当時は「袋の中から動物が出てきた」などといった幻覚・幻聴症状ありました。
さらに「調子が悪いからご飯が食べられない」「フラフラするから食堂へ行けない」など
1日中居室に閉じこもる生活でした。
U様の1日の水分摂取量が約500mlと明らかに少なく、脱水症状と判断。
しかし不安から飲み物を進めても飲んでいただけない状態が続き、居室からも出ていただけない状態。
そこで、恐怖心や不安を取り除き「生活に対する意欲」を引き出し安心してお暮しいただけるためにもっと近づこう、
もっと信頼関係づくりからはじめようと動きはじめました。

ケアサポート

①こまめに居室に行き顔を合わせる。
②ご本人のお好きな編み物のお話をする。
③一緒に片づけをしながらお話しする。
④他のご入居者と顔を会わせる機会をつくる。

現状

U様は私たちにこころを開いてくれました。お勧めする水分摂取をはじめ
自立支援介護の4つの基本ケアを受け入れ外出を楽しむまでになりました。

Case 2

入居の背景

右後頭葉皮質下出血で入院後、意欲低下のためリハビリが進まず、経口摂取が難しく胃ろうの造設となり、その後も意欲低下が続き
リハビリが進まず、わたしどものホームにご入居されました。

入居当時の状態

入居当初は「死にたい」「捨てられた」などと悲観的な発言が多く、涙ぐまれる日々が続きました。
面会に来られたご兄弟から「故郷で過ごさせてあげたい」と言われ、O様も「故郷に帰りたい」と望まれました。
そこで在宅生活を可能にするため、わたしたちスタッフは5つの課題を克服するために動きはじめました。

ケアサポート

①胃ろうから経口摂取へ成功⇒食事に楽しみを持ってもらう環境づくりができました。
②水分摂取量UP⇒本人の嗜好性に合せたものを提供し摂取量を増やしました。
③失禁から自立排泄へ⇒オムツ→リハビリパンツ
 →布パンツ+パット→ナプキンへ変更。
④認知症消失⇒他人との関わり合いを増やし、
 スタッフの積極的な話しかけでホームにいることを認知。
⑤シルバーカーで歩行実現⇒歩き方を忘れてしまっていたため、
 車いす・U字歩行器でトイレ誘導→
 肘付ウォーカー→シルバーカーで外出。

現状

U様は私たちにこころを開いてくれました。お勧めする水分摂取をはじめ
自立支援介護の4つの基本ケアを受け入れ外出を楽しむまでになりました。

Case 3

入居の背景

高齢者の便秘の原因は、「老化による腸内圧に対する感受性・収縮性の低下」「神経の鈍化」「脱水」が考えられ、便秘解消のために下剤の服用に頼ることが多くなり下痢・便失禁に結びつきます。高齢者にとって排便コントロールを下剤だけに任せることは身体的にも望ましくありません。

入居当時の状態

・ホーム内の移動は車いすを利用。
・食事量は1,200Kcal、栄養補助剤を処方。
・便秘3日で峻下剤(強い下剤)を服用。服用後は下剤による便失禁。
・ブリストルスケールは5または6と軟らかい便で腹痛を伴うものでした。

ケアサポート

A様ができていなかった便秘を解消するための3つのケアを実践しました。
①食物繊維を1日平均14.5g摂取→水溶性食物繊維を毎食5g1日15gを追加摂取。
②車いすから歩行器歩行へ⇒大腸がぜん動運動を起こす起立大腸反射を活発にいたしました。
③下剤は峻下剤(強い下剤)の服用を中止。

現状

A様に便秘を解消する7つのケアを実践したことで、目的にあった下剤を廃止して
事前排便ができるようになり、便失禁しない状態まで回復することができました。